平日夜、本屋に立ち寄った。今週のトレンドをつかむために。文芸雑誌コーナーを眺め、特に気になるものがなかったので、新書コーナーに向かう。中公新書の新作『ロラン・バルト』。内田樹の評論で名前を見るだけで、彼の著作を読んだことはない。今年が生誕100年なのだそうだ。読みたい。


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と本を手に取りながら、初めからその棚にいた紳士を気にしている自分がいる。おじさんではない、まさに紳士なのだ。最初にちらと横顔を見たときからなんとなくかっこいい人だな、とは思った。並んで本を眺めていると、彼の動きが気になる。本棚の本を手に取り、やたら速く中身を見て戻す、ほかの本も同様にする。この人は本の読み方、選び方の型があるんだな、と思った。私が隣に行ってから、彼は3、4冊眺めて気に入りの本を見つけたらしい。まっすぐレジへ向かう。見ると、ワイシャツにスラックスで、色黒、髪はワックスで固めている感じでちょいワルな雰囲気、顔には笑みをたたえている。

もう決めていた。隣にいるときから。この人と同じ本棚の同じ高さにある本を買おうと。彼が去ったあと、その棚に移る。知的生き方文庫だったようだ。緑色の背表紙の。『論語』『孫子の兵法』『頭のいい人……』『世界のエリート……』などなど、いわゆるビジネス書だ。

最近読んでいる本デニス・ウェイトリー『成功の心理学』、の訳者でもある加藤諦三の本が目につく。心の問題を扱った本を数多く著されている方だ。青森で習っていた絵の先生の絵が、彼の著作の表紙絵に使われているので、以前積ん読していた。本棚から取り出し、先ほどの紳士のように速くは見られないが、いつもの見定め方でページをめくる。今の自分にはぴんとこなかった。戻す。

『武士道』。かつて父が買っていたためうちの本棚にもあった。英語原文に日本語の対訳があるものだった。父から勧められたが、結局ちゃんとは読まなかった。盛岡生まれ、われ太平洋の架け橋にならん、旧五千円札、新渡戸稲造。手に取ったものは日本語訳だけが載ったもの。たしか小説『武士道セブンティーン』か『~シックスティーン』で、剣道部の主人公の家で宮本武蔵『五輪書』と並んでバイブルになっていた気がする。自分も弓引く者として読んどくべきものだろう。決まり。さっきの紳士のように、レジへまっすぐに向かう。ちなみに、支払いは電子マネーWAONでワオンと。

男が惚れる男。たまにそういう人っている。自分は、俳優の市原隼人とか、昔のフランス映画俳優のアラン・ドロンなんかはそういう男だと思う。
今度、映画館での、昔の作品上映でアラン・ドロン主演のものが予定されている。観に行きたいと思う。ある意味、アイドル(偶像)。

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