『リリーのすべて』という映画が公開されていますね。これがきっかけで思い出して、最近観た映画があります。


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岩井俊二監督作品『リリイ・シュシュのすべて』(2001年)です。(『リリーのすべて』は観ていません)

私は2010年以降に、テレビ放送されたものを観ました。先日で三回目ですが、録画で観ました。

現代の中学生の闇が描かれています。

映画では、歌手リリイ・シュシュを好きな人たちがネット上でつながっています。「リリフィリア」というBBS(掲示板)においてです。管理人フィリアを始め、青猫、くまなどのハンドルネームが使われています。ネット上の仮想現実と、中学生の現実世界が同時平行に進んでいる様が描かれています。

作品の概要などは、他のサイトに譲るとして、個人的にこの作品のアツいと思うところを書きたいと思います。

まず、歌手リリイ・シュシュが今でいうSalyuであるというところです。Salyuは始め、ユニットLily chou-chouのボーカルとしてメジャーデビューしたそうです。私がSalyuを知ったのは、アルバム『MAIDEN VOYAGE』の発売された2010年に、ラジオで聴いたのが始まりです。収録曲「新しいYES」が印象に残り、聴くようになりました。

映画は、リリイ・シュシュについての書き込み内容から始まります。そこでリリイ・シュシュは、エーテル(かつて大気に存在すると信じられていた物質)の具現者と讃えられます。他にエーテルを音楽にした人がいたかという問いに、ザ・ビートルズやUAなど実在の歌手の名が挙がります。(時代を感じますね)最後に出てくるのが椎名林檎です。しかし、林檎にエーテルを感じる感性がわからない、という言葉で一蹴されます(笑)

椎名林檎についての言及は以下の記事でも「事変りんご/山口ももえ」↓

http://blog.livedoor.jp/takahashi_ryo/archives/45153449.html

リリイ・シュシュにいわせれば、かつてエーテルを音楽にしたのは、クロード・ドビュッシーとエリック・サティらしいです。「月光」で有名なドビュッシーと、あらゆる雑音を音楽に取り入れたサティです。(個人的見解です)

主人公蓮見雄一役は、若き日の市原隼人です。映画の世界観としては、2013年の土曜ドラマ『カラマーゾフの兄弟』に近いと思います。しかし、市原隼人の役どころとしては、全く違っています。『カラマーゾフの兄弟』では、冷静な靭さを持った次男役ですが、本作では気弱で陰気な一人っ子役となっています。

市原隼人についての言及は以下の記事「好きなアイドル」でも↓

http://blog.livedoor.jp/takahashi_ryo/archives/44335401.html

蓮見と星野修介(忍成修吾)は、中学で出会い、同じ剣道部に入ったことで仲良くなります。蓮見は、星野の家に泊まることになり、そこで星野がリリイ・シュシュのファンであることを知ります。蓮見は、小学校のときからの同級生である久野陽子(伊藤歩)のおかげで、リリイ・シュシュの音楽に出会っていました。つまり、蓮見と星野と久野は、リリイファンという共通点があります。

中学一年の夏休みに、星野と蓮見を含む男子数人で沖縄旅行に行きます。この旅行は、星野がひったくった大金で叶いました。彼らは案内をつけて離島に出掛けます。その旅先で出会ったのが、高尾旅人(大沢たかお)です。大沢たかおの主演の『風に立つライオン』や、助演の『GOEMON』などももちろん好きですが、脇役の彼はそれ以上に好きです。『ハルフウェイ』でも書道教師役として主演の北乃きいに絡みますが、このときの彼と似た味が、本作では出ています。どちらにおいても、子ども心を持った無邪気な大人として出ていて、主な登場人物たちに大きな影響を与えます。役柄としては三枚目です。もう一つ大沢たかおの名脇役作品があれば、個人的に「大沢たかお名脇役三大作品」に認定したいと思っています。

本作では他にも、蒼井優や勝地涼の若き日が見られるなど、アツいポイントはあります。

しかし、映画自体は暗いです。いじめ、不登校、援助交際、自殺などが生々しく描かれています。

先日参加した読書会で、自分の見たくないところを見るために読む本、を紹介された方がいました。その言葉を借りれば、自分の見たくないところを見るために観る映画です。

だからかもしれませんが、本作は、私が人生で何度でも観たい、いや観なければならない映画だと思っています。

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